古川市議会議員・木村和彦(きむらかずひこ)

議会活動報告

平成 13 年第 3 回一般質問

質問: 1. 農業問題について

1) 農業政策について

けさ、新聞に東北の作況指数が載っておりました。宮城県は 102 のやや良というものでした。実際、刈り取りを終えた方々にお話を伺いますと、やや良とは言えない、思ったよりもとれないとのことでありました。作況指数と実際に感じられる作柄が次のような投稿になったんだと思います。

「田んぼの稲さんたちごめんなさいと言いながら、夫と 2 人で青田刈りをしました。道行く人が車から身を乗り出して不思議そうに見ています。青田刈りをしたら農家が農家でなくなるようで、農家の心が根こそぎ刈り取られた悲しい気持ちになり、その夜はなかなか眠れませんでした。先人たちが守り、育ててきた稲が、まさか青刈りされるとはだれが想像したでありましょうか」

この一文は去る 8 月 25 日、河北新報の声の交差点に掲載された農業者 64 歳の菊地村子さんの投稿されたものです。これからは、米への依存意識を捨て、大豆、麦、その他飼料作物などへの挑戦が必要だということに、田園都市を自認する議会に席を置く 1 人の議員として強いショックを受けました。これは自滅、すなわち死を待つのみと言ってもいいような日本農業の現実なのです。昔は物言わぬ農民と言われたこともありました。しかし今は黙っておれないのです。我がふるさと活性化のためにみずから何かを生み出す努力が必要です。

これまでも、いや、今も続いておりますが、猫の目行政と批判され、場当たり的な日本農政について農民の声を無視しての生産調整など、強引とも言うべき押しつけは農を業として生きる者に対して生存権、職業の自由、人格権の侵害であり、憲法に違反するのではないかとも思っておりました。

全国の農民や消費者 1,669 名が国に減反政策の差しとめと 1 人 10 万円の慰謝料を求めていた訴訟で、東京地裁は 8 月 24 日、請求をいずれも棄却いたしました。判決理由で、市村裁判長は、違法ではなく減反政策は継続しても近い将来国民が飢餓状態になり、生命や健康に対する侵害が起きる具体的な危害はないと述べて、農民側の請求を棄却する判決を言い渡しました。
言いかえれば、命を支えるために食料を生産している農業、農民の重要性と、その使命感を理解してはいないのではないかと、私なりに不安でなりませんでした。

政治が悪いのならば、農家は政治に頼らない道を考えなければなりません。政治に対する不満だけでは決して自立した農家像は生まれてこない、それも現実であります。これからは中央官僚主導型農業から、みずからその地域で農業に生き残るための道、自分たちを一番理解している市行政、そして地域現状を知り尽くした農協などと綿密な連帯をとり、地域特性を生かした多彩な複合的経営を目指した個性あふれる農業を展開していかなければ、生き残れないだろうと思います。

かつて農村は、自給自足が原則でした。昔の農業に戻れというものではありません。昔から受け継がれた農業の知恵、経験、技術を存分に発揮して、農民が身につけた百姓百品、 100 種類のものをつくると解釈すればよろしいのでしょうか、この思想こそ、日本農業の再構築を図るための重要な武器となり得るのではないだろうかと思います。強い農業を築き上げる源は、結局個々の農民の自立するための信念を持つこと、そのためにも農村一品運動ならぬ百姓百品をぜひとも進めていくべきであると考えます。小泉首相の米百俵の精神と相通じるところがあるかと思いますが、いかがでありましょうか。

古川市の風物となっております八百屋市、出展品目は 100 品ならぬ 800 品以上と伺っております。地場産品が直接生産者の手で販売され、購入者と直接情報の交換がされることにより、新たな生産品目を加えていく、まさに生産者のつくる意欲の向上に寄与すると思います。本市でも、オネスティやシンフォニーなど、地場産品直売の努力はされていることは本員も高く評価するところではあります。
二、三日前、市内のスーパーの野菜売り場に行った折、県内産、県外産、地名の書かれた一角に古川産と大きく書かれたすばらしいナスが並んでおりました。それを目にしたときの何となくうれしい思い、生産者の頑張っている姿が目に浮かぶようでした。今後の地場産品の生産計画、販売、 PR 戦略などが検討されていることがありましたならば、お聞かせ願いたいと思います。

御存じのように、植物は種をまいてから収穫まで多くの時間と労力を必要といたします。そして収穫までたとえ 1 日たりとも気を許すことはできません。たった 1 日の雨や風など、天候の急変がすべての収穫に重大な影響を及ぼすからであります。それほど農作物の生産は、注意深く自然との対話をすることなしにはできないことであります。
逆に申せば、これだけ多くの手をかけてつくり上げた農産物であるがゆえに、正当な評価、価格への転嫁を求めるものであります。

100 年前も今も 10 アール当たりの米の収穫量には大差がないと思います。これは米ばかりではありませんが、収穫までの日数も大体同じであると思います。
何が変化したかと言えば、それは物流であります。米を例にとるならば、田んぼから収穫された米は、翌日に東京の米屋の店頭で販売することも可能であります。物流の未発達のころは、産地間競争は時間がすべてではなく、促成栽培、抑制栽培など、出荷時期の違いや品質にありました。現在は、時期、品質、さらに時間、生産原価が加わりました。農家が一つ一つ丹精につくられた米などが、いかに消費者が望むスタイルで届けられることができるかであります。

一昨年、台東区を訪れたとき、ある方と知り合いになり、ふるさとの自慢話から、うちの米は日本一ということになり、新米を送ることになってしまいました。 16 番、加藤議員の協力をいただきまして、できたてのほやほやの米を送ることになりました。当然結果は上々であります。再度の御注文をいただきました。

また、聞くところによりますと、同僚議員の中には、消費者から直接注文を受け発送しているとか、昨年平成 12 年度産の米を食べた消費者が、余りのおいしさにかどうかはわかりませんが、袋に書かれた名前から電話番号を探し出して直接注文をされたと、私なりに思うのでありますが、ここに販売の隠れた糸口があるように思います。
消費者は本当にうまいものを求めています。その求めに対し、可及的速やかな反応が果たせるかどうかにかかっているのです。生産者は少しでもいいものをつくりたい、少しでも新鮮な、自然の香りいっぱいの作物を届けたいと思ってやまないのであります。農家は栽培する技術が培われても、販売となると全くの素人になってしまいます。そこに行政の力が発揮されると思います。

他県では、行政、農業関係機関、生産者がまさに三位一体となって地域産品の生産から販売までの一本化を図っているところもあると聞いております。本市においても、例えば金をかけずに地場産品を PR できないかなどという問題を、行政、農協、消費者とばらばらに考えるのではなく、生産、物流、販売を一つにまとめ、重点事項と位置づけて指導していく、片やもう一方では大規模の転作を図った大豆、これを豆腐や粉、きな粉なんでしょうか、それだけではなくて、食材としての確立を図るなど、一歩進んだ対策の必要を感じます。市当局と農業関係機関、その他の団体がともに情報の共有を図って地場産品の販売強化が必要不可欠と考えます。

また、農業を個人個人の生産者としてとらえずに、集団的な、例えば地区を一つとして、営農集落としてとらえ、それらをまとめた対策を講じる、生産集団をグループとして指導なり、助言することにより、地方独自の施策を展開でき、やがてそれが生産者の所得の増加につながると思うのでありますが、いかがでありましょうか、御所見をお伺いいたします。

答弁:市長

農業問題についてお尋ねがありました。声の交差点ですかね、新聞の投書欄ですが、そこでの声といいますか、青田刈り、現実の悲しさといいますか、農業をやっておられる方々、携わっている方々の悲しみというのが伝わってくるようであります。御承知のように、農業を取り巻く環境は大変に厳しいものがあります。そして農家経営の苦境というものも大変なものだというふうに認識をいたしております。

しかし、国にも求めていかなきゃいけないと思いますが、いずれ世の中がどういうふうに飢饉、あるいは世界的な食糧不足というような事態も考えられますし、そういった場合の民族の存続、あるいは世界人類の存続、こういったものを考えた場合の農業の大切さ、さらには自然環境の問題、いろんな問題からこの農業というものの重要さというものは改めて申し上げるまでもないと思います。そういったことでありますし、しからば国の農政はともかくとして、地域の農業といいますか、本市の農業、それぞれ農業者が自立していくということは議員おっしゃるとおりでありますし、それから行政として、あるいは JA として取り組んでいくべき課題等いろいろ御提言をいただきました。その中で議員がおっしゃったのは、地場産品の開発いわゆる 1 村 1 品、あるいは百姓百品といいましょうか、そういったもので新たな観点から新たな産品をつくり出していくという重要性を言っておられました。そのとおりだと思います。

しかし、どんなによい、おいしいものをつくったとしても、買い手が振り向いてくれないことには、そのものの価値は実現をできません。よいものをつくると同じくらいよい買い手を見つけること、これが重要だと思います。ここに販売戦略、あるいは言葉をかえればマーケティングというものの重要性が出てくるのでございます。

買い手に喜んでもらえることを前提としない生産は成り立たないと思います。そうしたことから、古川市農業・農村振興計画では、住民満足度という視点に立ちまして、その理念をそれぞれのライフスタイルに合った農の貢献と定め、諸施策の組み立てを行っております。
売る農業をどこまで体験できるかが重要課題であり、販売力のある農業、マーケティング力のある農業に真剣に取り組む必要に迫られております。マーケティングといいますと、すぐに思い浮かぶのは市場調査、 PR 、ブランド形成、流通対策等、それらを選択的、効果的に実施することであります。
しかし、海外からの輸入も含め、これだけ広域的に物が流通しておりますと、選択肢を絞り、成果を出すことが困難なことも現実なのであります。

現在、 JA 及び市内の直売所で行っておりますマーケティングは、一方的に農産物を売り込むのではなくて、買い手の意見を聞きながら、減農薬、有機栽培等生産工程の説明やおいしい食べ方、保存の仕方など、生産者が商品の価値を説得し、買い手に納得してもらい、信頼を得ていくこと、つまり買い手の満足度を高める地道な活動を行っております。こうした活動の中から、近い将来買い手の側に立った新たな商品、議員がおっしゃる百姓百品といいますか、そういったものが生まれてくる、また生む努力をしていかなければならないと思います。

それから、詳細な点につきまして担当の方からお答えを申し上げます。いわゆるグループとしての指導をしていかなければいけないのではないかとか、地場産品の販売強化に具体的にどういうふうに取り組んでいるかという、より細かい点につきましては担当より御説明を申し上げます。

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